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学習相談をきっかけに変化~ある不登校生~

家庭教師アズ金沢教室は金沢市を中心に、石川県内の広域にわたって家庭教師を派遣してきて21年になりますが、その中でも忘れられない出来事があります。この間、一期一会の出会いを大切に、一人一人に対して眠っている力をいかにして引き出していくのか、真剣に考え取り組んできました。

今までに指導してきた生徒さんの幅も広く、最年少は小学校に上がる前のお子さん、最年長の方は入会当時53歳の女性でした。またその他にも社会人として働いている方で、ある資格を取るために改めて中学・高校の勉強を学び直したいなど、様々なケースに対応してきました。

こうした様々な生徒さんとの出会いを通じ、一人一人に思い入れがあります。今回はその中でも近年、増加傾向にある不登校のお子さんとそのご家族に、同じような境遇で悩んだり苦しんでいる方の励みになればと思い、ある不登校生のことをでご紹介させていただきます。

不登校のお子さんをもつお母さんとの出会い

最初のきっかけはある土曜日の朝、一本のお問い合わせのお電話から始まりました。ちょうど他のご家庭からのご相談に対応していたため、すぐに出ることが出来ず、しばらくしてからかけ直しました。すると、ちょうど出勤前であまりお時間がなかったようだったので、お仕事を終えた後に改めてお電話いただくことになりました。

そしてその日の夜、約束通りにお電話をいただきました。現在中学一年生の女の子をもつ母子家庭のお母様からのご相談で、聞くところによると小学四年生あたりから不登校気味になり、今ではほとんど学校に行くことが出来なくなっているとのこと。

「このまま中学を卒業したらこの子の将来は一体どうなるのだろう?」

我が子の行く末を心配するあまり、何か現状を改善していくための手立てはないものか、かなり前から不登校に関する情報を継続的にインターネットで探していたようです。そんな中、家庭教師アズ金沢教室の不登校のお子さん向けに書いたページを目にしていただいたようで、話だけでも聞いてみたいと思ってくれたそうです。

お母さんはまだお子さん本人には何も話しておらず、極度の人見知りでここ数年間は家族と学校の担任の先生以外には全く会って話したことがないとのこと。そこで今までに接してきた不登校のお子さんへの対応を詳しくお話し、「学校に行こうと思った時に勉強に対する引け目を感じてほしくない。」「むしろわかる喜びや出来ることで自信をつけてほしい。」、とお伝えしました。

長年の経験の中で、中学一年生のゴールデンウィーク明けから不登校になった子が家庭教師との勉強を通じて家族以外とコミュニケーションをとることや高校・大学への関心を高めながら勉強を頑張り、見事志望校に合格を遂げて高校では新し友人に囲まれながら充実した日々を送っている子もいます。

お子さんとの初対面

ひょっとしたら直前になって学習相談で対面をするのが嫌だ、と言って出てこないのでは、と頭の中によぎっていたお母さんの心配をよそにちゃんと出てきてくれました。自己紹介をして本人にお名前を聞いたものの、照れくさいのか自分の口では言ってくれず、最後までまともに自分の口からは言葉を発してはくれませんでした。

そこで、今までに出会ってきた不登校の子たちへの対応や最近の入試の傾向を問題を見せながら話しかけ、基本をしっかりと押さえる勉強を頑張ることで着実に得点を積み重ねられることを伝えました。

「具体的にどうやって勉強をしていったらよいのか?」

家庭教師アズ金沢教室で実践している教科書や資料集を中心に一対一で会話のキャッチボールで「何で?」「なるほど!」と【分かる】を増やしていく勉強を一緒に行いました。

ちょうど中間テストが近かったこともあり、地理の地図帳と教科書を使ってビジュアル的に聞いたことのある都市名や建造物、気候や地形の特色からどんな工夫をして生活を営み、どんな産業が発展しているのか、予想を立ててから確認をする、その後似たような条件のものはないのか、確認していくことを行いました。

中でも海外ドラマを見るのが趣味だと言うこともあり、このお子さんは特にアメリカに対しての興味は強かったらしく、自分でも繰り返しページを前後しながら読み入っていました。

 学習相談後のお子さんの変化

このお子さんは途中で話に飽きるようなこともなく、最後まで一緒に勉強をすることが出来ました。帰り際にはお母さんと一緒に玄関先まで見送ってくれたものの、まともに口をきいてくれなかったので、正直、心配しながらその日は帰りました。

ところが、週末の金曜日に初めて訪問してから週明けの月曜日の朝にお母さんからお電話があり、本人が家庭教師ので勉強に対してその気になっている、と嬉しそうに知らせてくれました。

初めての学習相談を終えた後も、一人でしばらくの間ずっと地図帳を読み返していたものの、変にこちらから家庭教師の勉強を勧めたら意固地になって拒否したり、何かあったらお母さんが言ったから仕方なく始めただけと自分に言い訳をしてほしくはないと思い、お母さんからは何も言わずにいたそうです。

ところが、日曜日に自分から

「いつから家庭教師の先生来てくれるの?」

「勉強をするのは久しぶりだから続けていけるかな?」

とお母さんに話してきたそうです。お母さんは内心ではとても嬉しかったそうですが、本人に過度な期待をかけたくないと思い、「この前やれたから大丈夫じゃない。」「やってみんとわからんから、とりあえずゆっくりと初めてみたら?」と話したら本人から「うん、わかった。じゃあ頑張ってみようかな。」と言ってくれたようです。

中間テスト直前の対策指導

ちょうど中間テストが直前に差し迫っていることもあり、正式なお申し込みの手続きを兼ねて私が中間テストに向けて対策の指導をすることになりました。初回とは異なり、この時は本人の部屋でお母さん抜きで2時間以上にわたって社会だけに絞った指導を行いました。

他校に比べてテスト範囲が非常に広く、地理に加えて歴史は平安時代の終わりまでありました。学校の授業を受けていないため、資料集でビジュアル的な印象付けと流れを意識した物語形式で全範囲の説明を行い、ワークの中でも特に重点的に行うべきページを教え、その日は終えました。

すると、その日のうちにお母さんからお子さんの様子をメールでお知らせいただきました。

「先生が帰った後、興奮気味に歴史について、「ねえねえ、これ知っている?〇〇の起きた理由は~なんだよ。」と興奮気味に教えた内容について私に話してきたんですよ。」

このことをお聞きし、改めてこの仕事へのやりがいを感じると共に、今後の励みになると私自身も大変嬉しくなってしまい、翌日、思わず妻にも話してしまいました。

今やる気になっているこの子のためには、どんな家庭教師が最適なのだろう、どこからどのくらいのペースで指導を進めていこうか、悩ましいところではありますが、この仕事をしている中で最もやりがいのあるところでもあります。

担当教師の人選と更に嬉しい報告

そして、担当教師は理学部の大学院生の女性に決めました。決め手となった理由の一つは、あまり興味のない理科に対して、理科が大好きで専門に勉強している人間から理科の面白さが伝わってほしいこと。もう一つは、生徒本人が興味の強いアメリカへの留学経験があったため、実際に生活した経験から更に外への関心や見聞が広がってくれたらとの思いがあったからです。

担当教師が決まったことを伝えるために改めてお母さんに連絡をすると、さらに嬉しいことがあったと報告がありました。

先生がテスト対策をしてくれた日の夜、「今日から自分の部屋で寝て規則正しく生活を改善しようかな」と本人が言い出して23時には寝に行き、今のところずっと続いているとのことでした。

聞くとここ2年間ほどはずっとリビングに居座って深夜まで起き、朝は起きれない生活を送っていたそうです。お母さんはこのこともずっと懸念していたものの、どれだけ言っても変わらなかったとのこと。

それが突然、誰から言われたわけでもないのに、これから家庭教師の勉強を始めるにあたり、実際に指導を受けたことで何かしら自分の中で心に期するところがあったのか、変化してくれたことが何よりも嬉しかったようで、感謝してくれました。

家庭教師アズ金沢教室のモットー

今回のご家庭は、当初お母さんから「子ども本人が全くやる気がないかもしれないし、出てこないかもしれないけどいいですか?」と繰り返しご心配されていました。こうしたご家庭に対して、私は常々、学習相談にうかがったからにはお子さんに対して何かしら役立てるように足跡の残ることを必ずします、とお伝えしています。

今回は正直なところをお話しすると、ここまで短期間に大きく変化してくれるとは思っていなかった分、私自身も喜びも大きかったです。家庭教師アズ金沢教室のモットーは、お子さんを成績や状況だけで決め打ちすることなく、お子さん一人一人とじっくりと向き合い、何が原因で伸び悩んでいるのか、何をどんな優先順位で取り組んでいったらお子さんの力を引き伸ばしていけるのかを慎重に考えて指導で実践していきます。

今回ご紹介したのはほんの一例ですが、石川県の地域に根差して家庭教師の仕事を専門に20年以上運営してきた数多くの経験があります。どのような状況でもお子さんのためにどうすることが最善なのか、常に追求しながらご家庭のお力になれたらと思っています。

学習に対して、何かしらご心配やご要望などありましたら是非お気軽に家庭教師アズ金沢教室0120-66-2020代表の私谷口までご相談いただけたらと思います。無料の学習相談では、お子さんのために全力で対応させていただきます。